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キクロンおばさんが強烈でジャケ買いしたら高品質だったスポンジ、キクロンA

ある日、業務スーパーで買い物をしていると、赤い背景に黄色いロゴ、そして強烈な女性がデザインされたスポンジに目が留まりました。
強烈な女性のスポンジでピンと来る方もいるいるでしょう。そう、キクロンです。 

キクロンA

いわゆるジャケ買いをしたのですが、使ってみるとキクロンは丈夫で使いやすく、色んな人に布教したくなるスポンジでした。 

 

定番のロングセラー商品、キクロンA

このキクロン、2018年7月22日の『がっちりマンデー!!』でキクロンの工場が放送されたらしいですね。私は見逃しました。

業務スーパーでは100円くらいで購入しました。サイズは横7.5cm ・縦11.5cm・厚さ3.6cmです。
カラー展開はイエロー・ブルー(グリーン?)・ピンクの3色です。

キクロンA

業務スーパーでイエローを、パックマーケットでピンクを購入しました。
イエローしかないと思っていたので、ピンクを見つけて思わず買ってしまいましたね。
価格は168円でした。

キクロンの誕生は1960年というロングセラー商品です。2016年5月末の段階で、7億個ものキクロンが販売されたそうです。
これあれですよね、数が大きすぎてイメージ出来ないやつですよね。

 

キクロンの歴史

私が知っているロングセラーの歴史の中で、いまのところ一番おもしろいのがキクロンかもしれません。

キクロン、生まれる

キクロン株式会社の前身は菊たわし製造所で、1948年に児玉勲氏によって創業されました。

和歌山県の地場産業であるしゅろたわしを販売していたそうですが、創業者の児玉氏はオリジナルの商品を作りたいと思っていたそうです。

そして、

「ナイロン不織布」を見たのがきっかけとなり、「スポンジ」と貼り合わせる方法を考案する。 こうしてキクロンAが、誕生した

キクロンAストーリーより

そうです。

ここまではある意味普通かもしれません。

普通と言っても、商品自体は「たわしの革命児」というキャッチコピーの通り、世界初の貼り合わせスポンジですので、台所の歴史を変えた商品と言えます。

 

キクロン、売れない

当時キクロンの価格は90円でした。安くない?とは思いますが、当時しゅろたわしは30円だったので、お高い商品だったんですね。
なので売れ行きがいまいちだったそうです。

キクロンAストーリーによると、

児玉は得意先を訪れると、 必ずキッチンに入り商品の良さを説明し …
行き帰りの電車内では、乗り合わせた人にサンプルを渡して「とにかく使って下さい! 文句なしに良いのです」といって回った。

そうです。

電車内でサンプルって!だんだん面白くなってきました。

 

あの女性、生まれる

キクロンの発売から2、3年経ち、児玉氏のもとを「売り上げを3倍にしてあげよう」という謎の画家が訪ねて来たそうです。

そしてその画家が描いたあの御婦人をパッケージにしました。この時に商品名もキクロンAとなったそうです。

キクロンの歴史で絶対にはずせないのは「謎の画家」です(笑) 実際にイラストを描いてもらっちゃうのがまた面白いですね。

 

キクロン、売れる

スポンジの価格競争で価格を下げるかどうかという問題もありましたが、画期的なパッケージと高い品質を誇るキクロンAは値下げをしませんでした。

それでも売り上げは上昇し、大ヒット商品となりました。

 

めでたしめでたし。

 

あの女性、キクロンおばさんの謎

パッケージの女性は「キクロンおばさん」というらしいです。「おばさん」というほどお歳でもない気もするのだけど。

初めて見た時は、なんでしょう、どぎついイラストだなぁという印象です。
人間は忘れる生き物と言われているにもかかわらず、一度見たら忘れない、女優の片桐はいりさんのようなインパクトがあります。

『昭和のレトロパッケージ』によりますと、

社内資料にも名前が明記されていない「謎の画家」によって描かれたという。設定資料によると彼女は37歳で外交官の妻。ドイツ人と台湾人のハーフだそうだ。

なんだかもう、そんなに細かい設定資料があるのに、なぜ画家の名前が残ってないの?しかもドイツ人と台湾人のハーフって!と、いろんなことが気になります(笑)

 

キクロン、とにかく使いやすい

キクロンはとにかく実際使ってみると、めっちゃくちゃ使いやすいです。食器が洗いやすい。
最初は固めに感じますが、わりとすぐ馴染んで、いわゆるジャケ買いしたのが申し訳ないくらい良いスポンジです。

現在では複数個入って100円というスポンジも当たり前に売られていますから、スポンジの中では高級品なのかもしれません。

だたその価値は十分あると思います。

『まだある。今でも買える"懐かしの昭和"カタログ~生活雑貨編 改訂版~』にキクロンについて書かれています。 

定番のロングセラー商品だが、とにかくこの「キクロン」、愛好者というより「信者」と呼ぶべき熱烈なユーザーに支持されつづけている。本書の写真を担当しているカメラマン(兼主婦)も「スポンジは『キクロン』じゃなきゃダメ!」と断言しているし、ネット上にも同種の発言が多い。

で、僕も三ヶ月ほど前から実際に使いはじめたのだが、すっかり敬虔な「『キクロン』教信者」になってしまった。

分かります。 私ももう食器はキクロンで洗いたいと思います。

 

スポンジなのに、保証がついています

キクロンのパッケージラベルには、

万一使用可能なうちにナイロンたわし(不織布)とスポンジがはがれる様なことがあれば、ご面倒ですが下記宛、このラベル同封の上現品をお送りください。送料を添え、新しい品物とお取り替え致します。

と明記されています。

保証がついているスポンジは見たことがないですね。思いっきり消耗品なのに保証がついているというのが、品質の高さの現れだと思います。

実際にキクロンを使ってみるととても使いやすいですし、児玉氏の「とにかく使って下さい! 文句なしに良いのです」というのは正しかったです。

 

商品情報

商品名:キクロンA
カラー:イエロー・ブルー・ピンク
サイズ:横7.5cm ・縦11.5cm・厚さ3.6cm
メーカー:キクロン株式会社
価格(税抜):オープン価格
JANコード:4971720111023
原産国:日本

 

参考図書

『まだある。今でも買える"懐かしの昭和"カタログ~生活雑貨編 改訂版~』 初見健一 著 2013年5月30日 改訂第二版一刷 大空ポケット文庫
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『昭和のレトロパッケージ』 初見健一 著 2016年1月25日初版 グラフィク社
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